tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

参院選の争点年金論争の不毛

2019年07月04日 23時26分06秒 | 政治
参院選の争点年金論争の不毛
 先日、老後生活の安定には年金にプラスして2000万円ほど用意してくださいという金融庁の報告書(年金審議会答申)が麻生さんから受け取り拒否されたことで、年金問題は今次参院選の一大争点になった感があります。

 もともと、消費不振の大きな原因として年金不安(不信)があることは政府もよく認識しているのでしょう。いささか無理して「100年安心プラン」等という中身のないスローガンを掲げていました。

 早速始まった選挙演説を聞いていますと、安倍さんは舌鋒鋭く、野党は財源の説明もなく「安心できる年金」をというが、年金積立金には限りがあるという主張のようです。 
 年金は平均で議論しても意味はない、個々人の差が大きいので個別に議論しなければ…」といった指摘もしています。

 安倍さんの頭の中には、消費税の増税に反対していながら年金充実を言っても駄目ですよといった意識があるのでしょう。これも確かにもっともです。

 だからでしょうか、安倍さんは今度は「消費税を10%に引き上げたら、その後10年間は消費増税をしないで済む」という主張を展開しています。
 また、本来、年金は経済成長があって初めて充実できるもので、自民党は、アベノミクスによって経済成長を進めますとおっしゃいます。

経済成長を進めるというのは、与党も野党も一緒で、経済成長が要らないといっては得票は不可能でしょう。
 理論的には、経済成長が年金を支えるという説明は正しいのですが、消費税を10%にすれば、10年もつという公約には数字の裏付けはありません。
 
 よく考えると、安倍さんの発言も、野党と大同小異で、財源の論拠はなく、ただ、自民党はアベノミクスで経済を成長させますという公約を張り付けているだけです。
 
 もちろん、安倍自民党が悪いといっているわけではありません。野党の年金議論も、最低賃金大幅引き上げも、財源理論は不足のようです。

 また余計なことを書きます・・・、
 選挙戦は花盛りですが、国民にしてみれば、出来るか出来ないか解らないことを、ぶっつけ合って、「礼」の意識も忘れて相手を貶め、この期間の中で、国民の人気がとれればいいといった最近の民主主義下の選挙運動、そしてマスコミ、影響される国民、総ぐるみの「ポピュリズム化」が大きな動きとなって民主主義の堕落を齎しているように感じられてなりません。

 先進事例はトランプさんのアメリカでしょうか。アメリカの真似をしていては、日本もアメリカになってしまうような気がして不安です。
 
 かつて、「舶来崇拝からの脱却」を書きましたが、いま必要なのは、「アメリカの困った所を真似をしないようにしよう」という事のような気がしています。

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